大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和24年(新を)252号 判決 1950年6月14日

被告人

猿田秀男

外一名

主文

被告人猿田秀男の本件控訴はこれを棄却する。

原判決中被告人小浜舜司に関する部分を破棄する。

被告人小浜舜司に関する本件を宇都宮簡易裁判所に移送する。

理由

弁護人相馬喜作の控訴趣意第一点について。

記録によると被告人は昭和二十四年二月二十六日起訴せられた事実については第一囘公判期日前である同年三月一日書面で弁護人を必要としない旨を申出たけれども、同年三月十五日第二囘公判期日終了後になり追起訴があつたに拘らずこの事実については次に開かるべき第三囘公判期日前に被告人から書面に依る同様の申立がなかつたことが明白である。従つて原審は右追起訴にかかる事実を審理するについては被告人をして弁護人を選任せしめるか又は刑事訴訟法第二百八十九条第二項によつて職権で弁護人を附するかしなければならない。しかるに原審はこのことなくして本件を審判したことは記録上明白であるから、原判決は違法の訴訟手続によつたものと謂うべく、而かもその違法が判決に影響を及ぼすことは明白である。原判決には結局所論の様な違法があり論旨は理由がある。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例